20【小学部男子の母】
 子どもの語彙力を上げるにはどうしたらよいでしょうか。
漫画・小説を読むのは苦ではないようですが、国語のテストの語彙の問題でいつもひっかかっています。国語のプロ!校長先生に是非おうかがいしたいです。よろしくお願いします。


【回答】
 ご質問ありがとうございます。責任重大なご質問をいただき、少々緊張しつつお答えさせていただきます。

 子供の語彙力を高めるためには、日常的にインプットとアウトプットを繰り返すことが大切かと思います。

インプットは、聞くこと・読むことが中心になります。

 「聞く」ことに関しては、大人の会話を聞く場面が効果的と言われています。夕食の時などにご両親がいろいろ会話をなさるよう心がけてみてはいかがでしょう。(すでに普段からなさっているかもしれませんが・・・)

 「読む」ことは、何と言っても読書です。幸いお子さんは漫画や小説をよく読んでいるようなので、更に様々なジャンルに興味が持てるよう促せるとよいかと思います。例えば漫画でしたらば、不朽の名作『火の鳥』や『ブラックジャック』(手塚治虫)等はお勧めです。小説もたくさんありすぎて例を挙げづらいのですが、星新一のショートショート作品は気軽に楽しめるのではないかと思います。
 ただ気をつけなければいけないのは、読書を学習と位置づけないことです。勉強になるから読むのではなく、楽しいから読むようにしないと、読書の質は高まりません。仮にこちらが提示した本に興味を示さなくても、強制は禁物です。おうちの方が読んで面白いと思った作品を、さりげなく紹介したり会話の中で触れたりする程度がよいかと思います。例えば、「その話はまさに『藪の中』だね」(芥川龍之介の『藪の中』を踏まえて。小学生にはちょっと刺激的でしょうか)、とか「あの人は清(きよ)のような人だねぇ」(夏目漱石の『坊ちゃん』を踏まえて)など・・・。

 次に、アウトプットですが、話すこと・書くことが中心となります。

 「話すこと」は、「聞くこと」で触れた〈おうちでの会話〉を活かすと良いかと思います。子供が発した言葉に寄り添いつつ、更に掘り下げて問いかけ、言葉のキャッチボールができたらいいですね。

 「書くこと」は一番労力を要します。言葉を知っているのと、自分のものとして使いこなすのでは大きな開きがあります。言葉を定着させるために書くことが欠かせません。今学校で行っている詩作もそうした一環で行っています。日々の生活を振り返って頭の中で再構築し、自分の言葉で表現できて初めて言葉の獲得に至ると考えております。

 総括して言えることは。言葉を楽しむ環境の大切さです。子供に何かをさせるというよりも、一緒に考え共有して楽しむ大人の存在が重要ではないかと思っています。分からない言葉があれば、すぐ辞書を引いて確認したり、さらにそこから新たな言葉を調べてみたり。(今NHKで『舟を編む』という辞書作りのドラマが放映されていて興味深いです。)

 

 果たして的を射た回答ができたかどうか心許ないかぎりですが、少しでも参考になりましたらば幸いです。私も2人の子を育てた親として、人並みに悩んだり迷ったりした経験がございます。何かご心配事などがありましたら、一緒に考えさせて頂ければと思います。今後ともよろしくお願いいたします。