『おおきなかぶ』ロシア民話 A・トルストイ再話。内田莉莎子訳、佐藤忠良画(福音館書店)

 

 先日、図書委員会の子から「図書館に置いてある本の中で、校長先生のお勧めの本を教えてください」と頼まれました。早速図書室を見ていき、『おおきなかぶ』という絵本が目に止まりました。

 

 大分前のことになりますが、我が子が幼い頃、本の読み聞かせをしていました。毎週のように図書館に本を借りに行き、寝る前に1冊読むことを日課としていました。

上の子の時は小学校入学の少し前から始め、小学4年生の半ばくらいまで約3年半続けました。下の子の時は2歳後半から読み聞かせを始めました。その時最初に読んだのがこの『おおきなかぶ』でした。下の子は大層この絵本が気に入り、何度もせがまれて1週間近く、ずっとこの絵本を読んだ記憶があります。

 

 小学1年生の教科書にも『おおきなかぶ』は掲載されていますが、少々違和感があります。と言うのも、絵が全く違うのです。絵本では、本からはみ出るように描かれた蕪も、教科書ではこぢんまりと描かれてしまっています。これでは本来のよさがなくなってしまっているように感じました。

 

 今回読み直してみて、気づいたことがもう一つあります。それは作者がトルストイとあるので、私は今までずっと、『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』などを書いた大文豪のトルストイだとばかり思っていました。トルストイは『イワンのばか』や『人は何で生きるか』など民話的な作品も書いているので、この『おおきなかぶ』もそうだと思い込んでいました。しかし、よくよく調べてみるとトルストイ違いで、アレクセイ・ニコラエヴィッチ・トルストイ(1883-1945)という人が書いていたのです。大文豪の方はレフ・ニコラエヴィッチ・トルストイ(1828-1910)なので、非常に紛らわしいです。

 

 その他、絵をよく見ると、おじいさんの足が常に蕪の上に乗っていて、それで抜けなくなっているとの説も一部では論争を巻き起こしています。

 

 いろいろな読み方の出来る『おおきなかぶ』。

 大人も子供も、読み返してみると様々な出会いや発見があることと思います。

4おおきなかぶ