『サンタの友だちバージニア』村上ゆみ子著・東逸子絵(偕成社)
今から128年も前に、「サンタはいるの?」と新聞社に投書した少女のお話です。今までに新聞やテレビなどで何度も取り上げられているので、知っている人も多いとは思いますが、クリスマス・イブの前日に『本の紹介』をするとすればこの本しかないと思い、取り上げさせていただきました。
1897年9月、ニューヨーク・マンハッタンの西側95丁目の自宅で、8歳のバージニア・オハンロンという女の子が父親に「サンタクロースってほんとうにいるの?」と尋ねたのが事の発端です。
父親はちょっと考えてから「サン新聞の質問コーナーに手紙を出してはどうだろう?」と提案します。
バージニアは早速手紙を書いて投函しました。その手紙はサン新聞の社説を担当していたフランシス.P.チャーチ(当時58歳)に回されました。彼はお門違いな仕事を回されたという気がして乗り気ではなかったものの、「この大切な疑問に真っ向から答える必要がある」と考え直し、名回答を書き上げます。
それは1897年9月21日火曜日に掲載され、「Is There a Santa Claus? ― Yes、 Virginia、there is a Santa Claus」の名セリフを生むことになったのです。
バージニアはその後、学校の先生になり、子供たちに愛と真実を伝え続けました。最後は、長期に渡って入院生活を送っている子供たちのための学校の副校長で職を退きます。
そして1971年5月13日、81歳で逝去したときには「サンタの友だち、バージニア亡くなる」、「サンタを探しに行ってしまったバージニア」という見出しが紙面に掲載されました。
文明が進み、昔に比べて格段に便利な世の中になってきていますが、果たしてそれが幸せと結びついているのでしょうか。奇跡を信じる心、敬虔な心を大切にしたいものだと、クリスマスの時季が来る度に、強く思います。